あなたの保険会社、大丈夫!? | 博士と小僧のマネー大作戦

あなたの保険会社、大丈夫!?

小僧 博士ってダジャレ、言いますか?

博士 ダジャレ? ねこがねこんだ、とかかのぅ? 

小僧 ふはは(笑)、そうです、そうです。そんなやつ。その手のダジャレで、「父さんが倒産した」なんてのがあるじゃないですか。でもこれって笑いごとじゃないなぁって思って。

博士 そうじゃのぅ。父さんだけじゃなくて、自分に何らかのかかわりのある会社……たとえば、自分が勤めている会社だとか、メインバンクとして使っている銀行、契約している生命保険会社なんかも、倒産間近だなんて噂を聞いたら不安になるものじゃ。

小僧 そうですね、そういうリスクはできれば避けたいですよね。自分でしっかり見極めるようにしなくちゃいけないのかな。

博士 勤める会社も、銀行や保険会社も、自分で選ぶものじゃからな。選ぶ際には経営の健全性にも目を向ける必要があるじゃろう。保険会社を選ぶ際の見極め方について言えば、健全性を見るための代表的な指標として、ソルベンシーマージン比率というものがある。

小僧 ソ、ソルベンシーマージン比率…?

博士 「ソルベンシーマージン」とは、直訳すると「支払い余力」のことじゃ。これは、「保険金の支払いに回せる財源」、つまり、資本金額や保有する株式・土地の含み益、各種準備金など。これを、一定の方法で数値化して算出した「リスクの合計額」で割った数字を「ソルベンシーマージン比率」と言うのじゃ。

小僧 う~ん、ちょっと難しいですねぇ。

博士 一般的には、「ソルベンシーマージン比率200%」が経営の健全性の目安とされるから、その数値を確認するとよいじゃろう。ただし、過去には「ソルベンシーマージン比率が300%超」と発表された半年後に破綻した例もあるから、全面的に信頼するのは危険じゃ。

小僧 目安は200%ですね。メモっておこうっと。

博士 あとほかには、ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、格付投資情報センター(R&I)といった格付機関による格付けも有用な指標じゃ。

小僧 格付け、ですか。あ、「AAA」とかそういうやつですか? 見たことある気がします。

博士 そうじゃ。ムーディーズでは「Aaa」が「信用力が最も高く、信用リスクが限定的であると判断される債務に対する格付け」と定義されておる。

生命保険会社の場合、各社の「保険金支払い余力」をアナリストが分析して格付けを行っておる。財務的な数字だけでなく、業界構造や経営方針、販売力、技術力なども十分に検討して格付けを行っておるから、財務データに表れない部分も織り込んでいるという意味では、信頼性が高いと言えるのぅ。

小僧 格付けも要チェック、ですね。これもメモメモ。

博士 お、今日はなかなか勉強熱心じゃな。よいことじゃ。あ、ただしな、格付けについてはアナリストの主観が入る場合もあるから、複数の機関を比較しながら見るのが大切じゃ。

小僧 勉強になりました。

博士 実際に生命保険会社が破たんした場合についても詳しく勉強しておきたい人は、「保険会社の健全性をチェック!」を読むとよいじゃろう。